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丁寧な拭き漆仕上げにこだわり続けている
拭きうるし家具工房「岳了」代表の松土忠さん。

知っているようでよく知らない漆塗りについて、
拭き漆に詳しい松土さんに、
工房ネコ・あおいちゃんが質問してみました。

photo:あおいと松土さんです。なかよし♪


あおいちゃんの質問❶   漆ってなに?


漆の木は日本の全土に生息しています。その樹液を採取したもので、100%自然素材のものです。

日本では岩手県の浄法寺が有名です。当工房で使用している漆は、会津若松の中川漆店の辺掻き漆です。

辺掻き漆とは、最盛期に採取した漆のことです。


あおいちゃんの質問❷    拭き漆ってなに?


日本の伝統的な塗装技法のひとつです。身近なところでは、お椀などの塗装に使われています。

漆塗りには主に二種類に分かれます。

ひとつは着色して木目を見せない「塗りたて」という方法があります。
一般的に漆塗りといわれているのが、この方法で、代表的なものには輪島塗などがあります。

もうひとつは、木の持っている美しさを最大限に表現できる仕上げ方法で、木目がはっきりと表れるのが特徴です。
その中のひとつが「拭き漆」です。

「拭き漆」は生漆(精製していない漆)を木地に摺り込んで拭き取る作業を何回も繰り返して仕上げていく方法です。別名、摺り漆とも言われています。


あおいちゃんの質問❸    拭き漆ってどうやるの?


拭き漆の工程について

❶木地作り

漆を塗る前に先ず木地をしっかり作ります。割れは木片かこくそで埋め、ペーパーサンダーで、徐々に番手を上げながら空研ぎします。

❷捨て塗り

一度水で濡らし、よく乾いてから捨て塗りをします。これは木地を毛羽立たせて、漆の吸い込みを促すためです。
漆刷毛で木が吸い込むだけたっぷり摺り込みます。木が十分漆を吸い込んだら拭きとります。

❸錆付け

漆が乾いたら耐水ペーパーで軽く水研ぎをし、木地の状態を確認します。
サンダーの痕が消えていなければ、番手を下げて水研ぎか空研ぎで疵を消します。全体に疵があるようなら、1の工程からやり直します。

問題がでたら、ひとつ前、二つ前の工程からやり直す。これが漆塗りの基本です。時間と労力と漆の無駄ということは絶対にありません。
仕上りに格段の差が出ます。

錆付けは省略することもあります。荒々しく仕上げる場合や柿渋で下地を作った場合は錆付けの必要はありません。錆付けは木地の細かな凹面を埋めて、平滑で強い下地を作る作業です。

❹本塗り

刷毛で漆を摺り込み、すぐに拭き取ります。乾いたら同じ作業を繰返します。
4~10数回、むらが消え、木と漆の艶のバランスが最良の状態になるまで、木と相談しながら続けます。

❺胴摺り

砥の粉をサラダ油に混ぜ細かくしたものを手のひらにつけて、
円を描くように均一に磨き上げ、本塗りの作業中に付いたほこりや拭きむらを消しておきます。
終わったらウェスに色がつかなくなるまで丹念に拭き取ります。

❻仕上げ

最後に生漆だけで1,2回。完成です。



あおいちゃんの質問❹   漆って、かぶれないの?


漆の樹液は、山から採取したばかりの生の状態で触るとかぶれれる人もいます。

拭き漆の塗装工程でも、この樹液を使いますので、乾いていない状態で触ると同じようにかぶれる場合がございますが、完成した家具においては漆が完全に乾いておりますので、まずその心配はございません。

当工房でも作業途中の体調などで、時々かぶれながら塗っていることもあるのですが、生の漆が肌についてしまったときだけです。

拭き漆家具は完全に乾いてからのお届けとなりますので、ご安心ください。


あおいちゃんの質問❺   拭き漆家具の長所と短所ってあるの?


耐久性があります。→拭き漆仕上げは塗膜のもちが非常によく、木を長い歳月に渡り守り続けていく塗装方法です。

耐水性があります。→熱や水濡れにも強いので、食器類のわ染みが付きにくいです。

化学塗料と違い、時間の経過と共に、漆が木に馴染んでいき、徐々に色が薄くなり、木目の深みが増していきます。
年月の経過と共に変化していく色調をお楽しみいただけます。

気を付けていただきたいのは、家具の置き場所です。
紫外線にはあまり強くありませんので、長時間、直射日光にさらされる場所でのご使用はさけてください。


あおいちゃんの質問❻   拭き漆家具のメンテナンスは?


水拭きで十分です。家具の艶出しワックスなどは必要ありません。

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